まず裁判の件。ケガをさせたゴルファーに対して賠償責任を求めた裁判は去年もありました。金額こそ違いますが、だいたい判断は同じ内容で、要は「自分が打つ範囲に人がいるのをきちんと確認しないで打ったほうが悪い」ということですね。ただ去年と今年の裁判で違うのは、ゴルフ場にも責任があると言っていることです。「ボールが曲がって隣のホールに飛ぶこともあるのに防護ネットなどを設けてないのはゴルフ場の不備である」と。
ここは難しいところだと思います。隣に飛ぶから安全措置を取るべきだという裁判所の意見もわからなくありません。しかし、どんなゴルフ場でもすぐ横に隣のホールがあるのは当たり前のことで、そのすべてにネットを張ったらもはや違うスポーツになってしまうんじゃないでしょうか。
どんなに曲げてもネットに当たって戻ってくる。OBもなくなっちゃうでしょう。昔女子の試合で、そのホールではなく隣のホールへティーショットを打ってショートカットするという攻略法が頻繁に使われたコースがありましたが、そういう攻め方もなくなると。まあこれは蛇足ですが。
命に関わる問題ですからきちんと考えなければいけないことだとは思いますが、ネットを張らなければいけないというのはゴルフの本質を崩すことになるので、少々考え物だと思います。ゴルフというスポーツを崩さず、それでいてより安全にするための方策としては、たとえば、ホールとホールの間は最低100ヤードなければならないとか、高さ30mを超える木でセパレートしなければいけないというような決まりを作るというのはどうでしょう? 対応できなくて営業できなくなるゴルフ場が圧倒的多数になるとは思いますが(^_^;)
さてもう1つの事故の件。これなんですが、私にはよく理解できません。いろいろなところの報道をまとめると事故の状況はこんな感じになります。9月21日17時15分頃、高校のゴルフ部でプロゴルファーの資格を持つ顧問が、ボールの弾道を見せるために約60メートル先に部員を立たせてドライバーでボールを打ったところ、その打球が頭に当たって陥没骨折した……はぁ?って感じしませんか?
この顧問は右前方を狙ったが、誤ってまっすぐ行ってしまったとか、打球を避けるために部員にミットを持たせていたとか言っているようですが、そういう問題じゃないのではないかと。確か他のレッスンプロなどもこのような練習法を言っていたのをどこかで読んだ記憶がありますが、正面から向かってくるボールを見せることはどんな役に立つんでしょうか?
私のようなヘボアマチュアにはわからない効果があるのかも知れませんが、それよりも、その練習法がどれだけ危険なことかということのほうがよほど重要ではないでしょうか。タイガーマスクに出てくる虎の穴じゃないんですから(古っ!)、命をかけてまで特訓をする必要があるかと言えば、私はないと思います。
どうしてもその練習が必要と言うのであれば、完全な防護ネットの後ろから見られるようにするとか、体中プロテクターをつけて、さらにフルフェイスのヘルメットをつけるとか、そのぐらいの対策が必要なんじゃないでしょうか。
もう1つわからないのが、なぜ60メートル先の人間に弾道を見せるのにドライバーが必要なのかということと、ドライバーで打った弾道が60メートル先にいる人間の頭に当たるってどんな弾道なんだ?ということ。これがまったく理解できない。60メートルって、ピッチングウェッジでもフルスイングできない距離ですよね。それをドライバーで、しかも頭に当たる弾道のショットを見せるって……。
しかもいまの時期のその時間って夕方で薄暗くなりつつある時間ですよね。太陽がどの方向にあったのかわかりませんが、ゴルフボールのような小さなものは、ちょっとしたことで視界から消えてしまうんじゃないでしょうか。ショートホールで後の組に先に打たせる時にボールの行方を見失うことってよくありますよね。そう考えるとミットがあったって、見えてないものを避けることなんてできるわけがないですし、とても危険だと思います。
最初にも書きましたが、ゴルフはとても危険が伴うスポーツです。ちょっとしたことで命に関わることがあるということを、ゴルファー一人一人がその自覚を持って上で楽しむ必要があると私は思いますし、ましてや指導する人間は他よりもさらに注意深く考えてほしいところです。
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