毎年この時期になるとその年の総括をしたりするわけですが、マスメディアなどがだいたい「今年はタイガー・ウッズが云々」とか、「宮里藍がアメリカツアーに参戦して云々」といったことを並べてくれると思うので、私のほうはちょっと視点を変えようと思います。
私が今年のトピックとしてずっと注目して追いかけていたのは、女子ツアーのワールドランキング、いわゆるロレックスランキングというものです。始まったときは男子ツアーのワールドランキングとほぼ同じ形になるということだったので、さほど気にしていなかったのですが、始まってすぐ、これはしばらく見てみないといけないなぁと感じました。
その理由としては、2月のスタート時のランキングがあまりにも実力を反映しているとは思えなかったことにあります。もちろんアニカ・ソレンスタムがトップだというのは、誰もが異論がないところだと思います。しかし、それ以外の選手のランキングが納得できませんでした。始まったばかりだから、過去2年間の成績を使ったとしてもブレが生じるのだろうと思い、とりあえず1年間、その推移を見てみようと考えたわけです。
途中、計算方法の見直し(出場試合の少ない選手のポイントの割り方などが変更になった)などがありましたが、結果的に1年近く経っても、やはり納得できないランキングと感じます。特に日本人選手のランクが高すぎると思うのです。
今年アメリカツアーに参戦し、トップ10を7回という宮里プロは先週のランキングで6位でした。他にもベスト10内に大山志保プロもいます。こちらは9位。両者とももちろん実力はあるのはわかりますが、ワールドランキングとなったときに、本当にこの順位なのか?という気がするんです。
2006年を振り返ったとき、賞金女王のオチョアを除くと韓国勢がとても活躍していた印象があります。金美賢や韓煕圓は2勝挙げていますし、朴セリも勝っている。にも関わらず、とうとう優勝できず、賞金ランキング22位という成績で終わった宮里プロがそれより上にいるのがとても不思議です。
ミシェル・ウィもまだ16試合しか出場しておらず、優勝もしていないというのに韓国勢よりも上の10位にいたりしますし、今年ぱっとしなかった不動プロが15位にいて、今年国内で3勝した横峯さくらプロより上だったりします。アメリカツアーの選手が出場する試合になると上位にほとんど入れない日本人選手が、ベスト50位内に9人も入っているのもぴんとこないですね。
当初の発表では直近の試合結果が反映される(男子ツアーと同じ)との話でしたが、どうも経年償却の計算式がうまくいっていないような気がするのと、試合ごとのミニマムポイントの設定ミスや、ランキングされている選手の出場率によるレイティングポイントの影響力が弱いのではないかと想像されます。
今後、このロレックスランキングを出場カテゴリなどに含めるようですが、もう少し精度が上がらないと、そういったカテゴリに使うのはどうかなぁという気がします。日本人選手が高いランクに入っているのはうれしいことではありますが、客観的に納得できないランキングではうれしさも半減です。
まあ、男子ツアーのワールドランキングが、あまりにもアメリカツアーの影響力が強すぎるという気もしますが、あれはあれで納得できるランキングになっていると思います。ロレックスランキング、もう少し推移を見守らないといけないのかも知れませんね。
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